ネズミの苦手なもの
ネズミは何でも食べる雑食性の動物ですが、苦手なものもあります。例えば気温10℃以下の場所でしたり、猫やフクロウ、ワサビや樟脳の香りです。
ここでは、ネズミ駆除につなげるための「ネズミの苦手なもの」を解説していきます。
ネズミの苦手な場所
ネズミが民家に侵入するのは、食べ物と暖かい場所を求めるためです。
ネズミはエネルギーの消費量が多いことから常に食べ続ける必要があり、気温10℃以下の場所では活動を停止してしまうことがその理由となっています。
食べ物が得られない場所
ネズミは1日につき体重の25%以上の食べ物を摂らないと、エネルギー切れを起こしてしまいます。
これは、ネズミの小さい身体がエネルギーを貯蔵しておくことができない構造となっていることと、頻繁に走り回る運動量の多さが関係しています。
体重 | 1日に必要な食べ物の量 | |
ハツカネズミ | 10グラム~30グラム | 3グラム~10グラム |
クマネズミ | 100グラム~200グラム | 35グラム~50グラム |
ドブネズミ | 200グラム~500グラム | 50グラム~80グラム |
そのためネズミ自身が「食べ物が得られない場所」と判断した場合、食べ物が得られる他の場所に移動することもあります。
気温の低い場所
ネズミは気温が10℃以下の場所にいると、まるで冬眠するかのように動きを止めてしまい、しばらくすると息絶えてしまいます。
比較的身体の大きなドブネズミは寒さに対して耐性があるようですが、ハツカネズミやクマネズミの場合、冬の時期は外で生き続けることが困難と言われています。
ネズミの天敵
ネズミには「天敵」と呼ばれる動物が存在します。そのため、ネズミの天敵となる動物がいる民家には、ネズミの侵入が少ないとも言われています。
猫
一日の大半を寝ていることから寝る子=「ねこ」と名づけられた猫は、ネズミを捕獲することから古くから民家で飼われるようになりました。
とはいえ、すべての猫がネズミを捕獲するとは限りませんし、そもそも飼い猫としてきちんとエサが与えられる状況では、狩猟本能を発揮することも少なくなってしまうのかもしれません。
ただし、「そこに猫がいる」というだけで、ネズミは侵入をためらう傾向がありますので、ネズミ対策で猫を飼うのもひとつの方法でしょう。
フェレット
フェレットはイタチをペットとして飼えるようにした品種です。もともとイタチはネズミを捕獲することに長けていることから、フェレットもネズミ対策には効果的です。
猫と同様、「そこにフェレットがいる」というだけで、ネズミの出現率が下がると言われています。中にはフェレットのフンを置いておくだけでも逃げ出すネズミもいるようです。
フクロウ
フクロウはネズミの仲間を捕食することから、世界各国で家庭のネズミ駆除に活用されてきました。そのため、フクロウを飼うこともネズミの侵入を予防することにつながります。
ヘビ
ヘビとネズミの関係は、ハブとマングースの例を見ても明らかです。
ペットとして飼われているヘビであっても、その匂いを感じたネズミは近づかなくなると言われています。
ハムスター
ハムスターとネズミは天敵の関係ではないのですが、ハムスターを飼うことで、ネズミの侵入を防ぐこともあるようです。
ネズミは縄張り意識が強いことから、すでにハムスターがいると「ハムスターの縄張り」と判断して近寄らないためです。
ネズミの苦手な匂い
ネズミは視力が低い動物ですが、その分嗅覚が発達しています。そのため、ネズミの苦手な匂いを知ることもネズミ駆除のヒントとなります。
ハーブ類
ネズミは匂いの強い植物を苦手としています。特にハッカやミントは、ネズミ駆除に使われる忌避剤の原料にもなっています。
ワサビ
寿司や魚介類の刺身に使われるワサビも、ネズミが苦手とする匂いのひとつです。そのため、忌避剤の中にはワサビが原料となっているものもあるようです。
百合
美女を表現する「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」でおなじみの百合の花の香りも、ネズミが苦手とするものとなっています。
ただし、花の香りが苦手なだけで、百合の球根はネズミにとって格好のエサとなってしまうため、鉢植えを置く場合には注意が必要です。
樟脳
衣服などの防虫剤に使用される樟脳(しょうのう)も、ネズミが苦手とする匂いです。そのため、防虫剤で害虫対策をしながら同時にネズミの対策として活用することができます。
ネズミの苦手な音
ネズミは嗅覚の他、聴覚も優れていることから、「危険を感じる音」に対しても敏感な反応を示します。
天敵の鳴き声
鷹やワシといった鳥の鳴き声は、ネズミを遠ざける力があるようです。
一定の周波数の音
人間の耳には感知できない一定の周波数の音を流すことで、ネズミの侵入を防ぐ効果があると言われています。